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  ニュース     2024/02/01 14:51

中国:清華大学の脳機械インターフェース「NEO」、臨床試験に成功 無料記事

 中国の清華大学は1月31日、植え込み式脳機械インターフェース「NEO(Neural Electronic Opportunity)」の臨床試験が成功したと発表した。電子デバイスと脳の交信を実現している。中国新聞網が伝えた。
 清華大学医学院の洪波・教授が率いるチームがNEOを設計し、首都医科大学の宣武医院で初めての臨床植え込み試験に成功したという。清華大学と宣武医院の合同チームは、24年1月29日に臨床試験の総括会議を開催。ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術の導入を通じ、患者のリハビリが画期的な進展を遂げた報告した。
 この患者は、交通事故で脊髄が完全損傷し、14年間にわたって四肢麻痺の状態にあったとされる。頭蓋骨内に体内デバイスを埋め込み、電極を硬膜外(硬膜は頭蓋骨と大脳皮質の間に位置し、神経組織を保護する役割を果たす)に配置した。大脳細胞を損傷せず、手術10日後に患者は退院して帰宅。自宅で3カ月間のリハビリトレーニングを実施し、患者は脳波活動によって空気圧手袋を操作し、自分で水を飲むなどの脳制御機能を実現した。また、患者の脊髄損傷のASIA(アメリカ脊髄障害協会) の臨床評価スコアと感覚誘発の電位反応が顕著に改善し、握力解読の精度は90%を超えたという。
 長期の動物実験を経て、NEOは神経組織を破壊しないように開発された。近距離無線技術による電力供給と信号伝送を採用したことで、体内電池は不要である。
 報告によると、脊髄損傷患者のNEO植え込み2例目は、23年12月19日に天壇医院で成功した。患者は自宅でリハビリトレーニング中という。NEOの臨床試験は、23年4月と5月に宣武医院と天壇医院の倫理審査をそれぞれ通過し、植え込み医療機器の臨床試験登録を終えた。
 一方、海外では、著名実業家のイーロン・マスク氏が1月29日、脳マシンインタフェース企業Neuralinkによる初の人体臨床試験を報告。「Link」と呼ぶBCI(Brain-Computer Interface)の埋め込み手術後、その治験者は「回復が順調に進んでいる」とコメントした。


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