【亜州ビジネス編集部】中国の希土類（レアアース）相場が動意づいている。中国希土行業協会が算出する「希土価格指数」は、9月1日の217.5ポイントから13日の227.97ポイントに回復した。約2週間で5.8％も上昇している。証券日報が14日付で伝えた。

　軽希土類の酸化ジジミウム（ネオジムとプラセオジムの混合物）は、13日のトン当たり価格が53万3000人民元（約1077万円）まで高まっている。約2週間で6.6％も値上がりした。

　希土価格指数は7月11日に直近安値まで下落し、その後は反発基調にある。7月11日からの上昇率は、累計で21.63％に拡大した。

　上海有色網（SMM）の希土類アナリストによると、中国では7月以降、工場の移転や機器の調整などの要因でレアアース供給量が縮小したが、大手メーカーによる8月の入札開始を受けて、需給のバランスは改善傾向にある。さらに9月1日には、業界大手の北方希土集団高科技（600111/SZ）が今年初の売値引き上げを通知。調整は小幅ながらも、これまでの引き下げから一転し、価格政策を修正したという。

　一方、ある磁石材料企業の担当者は、足元の受注状況から判断した場合、業界景気の兆しはみられず、需給改善には至っていない。ただ、過去の経験則を当てはめると、下半期の市況は上半期より上昇する例が多いと説明した。


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