【亜州ビジネス編集部】クラウドコンピューティング市場規模が急ピッチに成長している。2023年の中国市場は、前年比35.5％増の6165億人民元（約13兆1900億円）規模にまで拡大した。生成AIや大規模言語モデル（LLM）の発展がクラウド産業の新たな成長サイクルを支えている。工業情報化部の直属機関、中国信息通信研究院が23日に報告した「クラウドコンピューティング白書（2024年）」に記された。
　演算能力とアプリケーションの需要が高まるなか、クラウド市場は長期にわたって伸びるとみられる。クラウド技術の革新と企業戦略の調整が市場拡大を支えるためだ。パブリッククラウド市場とプライベートクラウド市場がそろって成長し、中国市場は27年時点で2兆1000億人民元を上回るとみられるという。ただ、中国のクラウド産業は活発に発展しているものの、リソースの配置、サービスの質、技術の統合などの面でまだ最適化の余地があると補足した。
　23年のIaaS（Infrastructure as a Service）型パブリッククラウド市場シェアは、上から阿里雲（アリババ）の21.31％、天翼雲（中国電信）の17.07％、移動雲（中国移動）の12.83％、華為雲（ファーウェイ）の9.41％、騰訊雲（テンセント）の7.15％、聯通雲（中国聯通）の3.73％などの順となっている。
　一方、世界のクラウド市場に関しては、23年に前年比19.4％増の5864億米ドル（約90兆8900億円）に達した。需要の拡大が持続し、27年には1兆米ドルを突破する見込みという。


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