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  ニュース     2025/02/17 10:02

吉利が2大ブランド統合が完了、新会社「極コク科技集団」誕生 無料記事

【亜州ビジネス編集部】民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)は14日引け後、傘下で電気自動車(EV)事業を手がけるZEEKRインテリジェント・テクノロジー(ZK/NYSE)を通じ、系列グループの領克汽車(Lynk & Co)を経営統合する計画が完了したと報告した。匯港通訊などが同日付で報じた。

 これまでの情報によれば、ZEEKRは浙江吉利控股(吉利汽車の親会社)から領克汽車の株式20%を総額36億人民元(約780億円)で買い取った。さらに54億人民元を投じ、ボルボ(浙江吉利控の傘下企業)が保有する領克汽車の株式30%を取得。またZEEKRは領克汽車の増資を引き受ける形で、3億6734万人民元を追加出資し、領克汽車に対する出資比率を51%に引き上げた。残る49%は引き続き吉利汽車の全額子会社(寧波吉利)が保有する。

 これにより、領克汽車は吉利汽車の合弁会社から子会社へと変更される。今回の取引に伴い、吉利汽車は64億7000万人民元の利益を計上する見通しだ。

 両社の合併に伴い、新たに「極コク科技集団」が設立された。新会社の極コク科技集団が極コク汽車と領克汽車の両ブランドを傘下に置き、向こう2年以内に年間販売台数100万台級のグローバルハイエンド新エネルギー自動車(NEV)グループを目指すという。

 極コク科技集団の安聡慧・最高経営責任者(CEO)によれば、極コク科技集団の25年1月販売台数は4億2000万台を超過し、中国の新興高級車勢力でトップに躍り出る形だ。世界ユーザー数は足元で180万人を超えている。同グループは年内に5種類の新モデルを投入する予定。中型から大型、大型SUVをメインに、ハイブリッドモデル4車種が含まれる。年間販売目標は71万台に設定。そのうち39万台が領克汽車ブランド、32万台がZEEKRブランドで、40%の成長率を達成する見込みという。

 一方、吉利汽車は浙江吉利控股からZEEKRの株式11.3%を総額8億610万米ドルで追加取得する。ZEEKRに対する出資比率を51.5→62.8%に引き上げる予定だ。

 一連の取引について、吉利汽車の桂生悦CEOは「グループ全体の発展戦略に基づき、リソースの統合を促進し、同業競争を排除することで、各ブランドのポジショニングを明確にすることが目的」と説明。これにより、製品構成の最適化が進むとともに、組織構造が一本化され、内部リソースの統合が進み、さらなるコスト削減と効率化につながると指摘した。

 領克汽車は16年に浙江吉利控股が傘下のボルボと合弁で設立した高級車ブランド。「領克01」「領克02」「領克03」などを市場に投入している。


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