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  ニュース     2019/03/18 14:01

中国:「一帯一路」物流連携加速、スマート化で効率配送 無料記事

 習近平・国家主席肝入りの巨大経済圏構想「一帯一路」エリアで、“物流の効率化”が進んでいる。空港、港湾、鉄道の各ネットワーク連携が加速。発送荷主の戸口から受取り荷主の戸口まで輸送する「ドア・ツー・ドア輸送」を実現した。従来の「港湾・ツー・港湾」から一歩進んだ次世代物流網を構築している。スマート情報システムも積極導入された。越境貨物の流動性において迅速、正確、リアル管理を実現させている。国際航空運送協会(IATA)のアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務総長兼CEOが語った内容として、21世紀経済報道が18日付で伝えた。

 ジュニアック事務総長は3月11〜13日にかけて、IATAがシンガポールで開催した「第13回ワールドカーゴシンポジウム(WCS)」に出席。現場で中国メディアの取材に応じた。「中国の『一帯一路』戦略が世界貨物運輸業の停滞打破につながるよう希望する」と語っている。

 ジュニアック事務総長によれば、一帯一路政策の下で整備された「陸・海・空」の物流連携は、貨物の定期輸送を保証すると同時に、物流倉庫の在庫圧縮に貢献した。たとえば、内陸都市の浙江省義烏市で生産された靴下は、新たな輸送モデルの下で、列車輸送が可能となった。海運で45日を要したロンドンまでの輸送日数は、わずか14日間に短縮されている。

 ドイツ鉄道(ドイチェバーン)傘下物流企業のDBシェンカーは、一帯一路政策の恩恵を受ける海外企業の1社だ。欧州〜重慶間で、海運、鉄道、道路を一体化させた輸送サービス体制を整えている。さらに18年、アジア〜欧州間で初となる冷蔵コンテナ列車を運行開始。その第1号列車は、新鮮な農産品を積載した11コンテナを15日間かけて四川・成都からロシア・モスクワに輸送した。

 一方、カザフスタン国有鉄道会社のカザフスタン鉄道 (KTZ)は、京東商城(JD/NASDAQ)傘下の京東物流と戦略提携。中国の越境物流、サプライチェーンネットワークの構築で包括的に協力していくことを確認した。ECやインターネット金融の領域でも提携機会を探るという。

 中国の物流会社や航空会社も、一帯一路開拓に積極的に取り組んでいる。中国宅配大手6社の一角を占める中通快逓(ZTO/NYSE)は18年6月、トルコ航空大手のターキッシュ・エアラインズ傘下にあるターキッシュ・カーゴ、香港を拠点とするPALエアーと提携。3社共同出資で、貨物輸送を手がける合弁会社を香港に設立すると発表した。

 また、圓通速逓(YTO:600233/SZ)は、中国国際航空(753/HK)、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)系ビッグデータ物流プラットフォームの菜鳥網絡科技(Cainiao)などと連携。香港国際空港に世界的な物流ハブ拠点を建設することで合意した。120億香港ドル(約1710億円)を投じる運びだ。

 国営の中国郵政は、越境電子商取引(EC)事業者向けの倉庫・産業パークを144カ所整備。米国、英国、オーストラリア、日本などに11カ所の海外倉庫を設けた。

 一帯一路戦略においては、香港国際空港の重要性が増している点も注目される。広東・香港・マカオの経済連携などを強化するベイエリア構想「粤港澳大湾区」の全体発展計画では、「粤港澳大湾区を一帯一路建設の重要土台とし、香港国際空港のハブ機能をより強固なものになる」との方針が明示された。

 今回のWCSで香港国際空港は、IATAから「CEIV Fresh」認定証の交付を受けた。「CEIV Fresh」は、高い鮮度保持の品質が求められる輸送品の品質向上を狙ってIATAが新たに導入した認証制度。香港国際空港はその第1号パートナー空港に選出された形となる。



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