シンガポール配車大手のグラブ・ホールディングスは15日、電気自動車（EV）世界大手の比亜迪(BYD：1211/HK)と戦略提携したと発表した。東南アジア6カ国で活動するグラブの登録運転手に対し、BYDが競争力のある価格で最大5万台のEVを販売・レンタルする。EV導入の障壁となる初期費用の負担を軽減し、利用を促す。

　対象はシンガポールとタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンで活動するグラブの運転手で、◆ミニバン「M6」◆スポーツ多目的車（SUV）「ATTO3」◆セダン「シール（海豹）」◆高級ブランド「デンツァ（騰勢）」のミニバン「D9」――などが対象モデルとなる。電池の延長保証などの特典も付ける。

　一方、グラブはシンガポールやタイで、グリーン車両を優先的に割り当てるサービスを導入する。EVの運転手が利用者に選ばれやすい仕組みで、環境改善に貢献する。

　BYDの代表者は、グラブとの提携を通じて東南アジアの車両電動化に貢献したいとコメント。自社の技術力とグラブの地域ネットワークを組み合わせ、持続可能な移動手段を提供していくと述べた。一方、グラブの代表者は、EV導入を通じて運転手の収益性向上や燃料コスト削減、環境負荷の軽減を目指すとしている。


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