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  ニュース     2024/08/02 11:49

中国:外食業界も値下げ競争激化、「10年前価格」に回帰 無料記事

 中国では今年、電気自動車(EV)や食品だけでなく、外食業界でも値下げ競争が激化している。一部の火鍋チェーンは「10年前の価格に回帰」と称し、大規模な値下げキャンペーンを実施している状況だ。こうしたなか、香港マーケットに上場する外食企業の株価は、値下げによる収益悪化を警戒して大きく下落。九毛九国際HD(ジウマオジウ・インターナショナル:9922/HK)や呷哺呷哺餐飲管理HD(シアブシアブ・ケータリング・マネジメント:520/HK)の株価が年初来で5割近く下落しているほか、海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル:6862/HK)も約1割の値下がりを強いられている。香港紙・星島日報が2日、本土メディアの報道をまとめる形で伝えた。

 前出の九毛九が先ごろ発表した今年第2四半期(4~6月)の営業データによると、傘下の西北料理チェーン「太二」では同期に客単価が69人民元(約1400円)となった。これは2017年と同水準で、香港上場した19年以来、60人民元台まで低下するのは初めてだ。なお、「太二」では、「酸菜魚」(ソウギョなどの魚と四川省で「酸菜」と呼ばれる青菜の漬物をトウガラシや花椒と一緒に煮込んだ料理)をメインメニューとしている。

 一方、呷哺呷哺は今年5月に平均10%超の値下げを実施した。創業者の賀光啓氏はこれより先、外食市場全体に値下げの動きが広がっている点に言及。この流れに追随しなければ「餓死するしかない」とコメントしている。

 このほか、火鍋チェーンでは「陳記順」や「八合里牛肉火鍋」などが「10年前の価格に回帰」などとする広告を打ち出し、大幅な値下げに踏み切った。市場競争が激化するなか、業界最大手の海底撈は23年の客単価が99.1人民元となり、前年の104.9人民元から5.5%低下している。


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