【亜州ビジネス編集部】「低空経済」の規模が急拡大するなか、関連人材不足の問題が深刻化している。人材ギャップは今後、100万人の大台を超える見込みだ。これまでにない新たな職種も続々と誕生している。中国政府系メディアが20日付で伝えた。

　中国民用航空局（中国民航局）の報告によると、中国の低空経済市場規模は、2025年に1兆5000億人民元（約30兆3000億円）、30年に3兆5000億人民元まで膨らむ見通し。無人機関連の運営企業は、24年末時点で全国2万社を超えた。24年通年の総生産額は、前年比39.5％増の約2100億人民元に伸びている。

　巨大市場の立ち上がりに対応し、多彩な新職種が生まれた。無人機システムエンジニア、無人航空機インストラクター、無人機物流ディスパッチャー、低空交通管制員、農業管理オペレーター、森林防火巡視員、低空飛行データアナリストなどの需要が拡大している。

　深セン市無人機業界協会の楊金才・会長は、「5G通信とAI（人工知能）の技術革新を追い風に、民生用ドローンはあらゆる産業に浸透し得る。協会が把握しているだけで200を超える用途がみられた。低空経済分野の人材不足は、向こう数年内に100万人を超えるだろう」と語った。

　需要の爆発は、産業の成長を加速させる。無人機ショー市場を例に取れば、1機当たり500人民元、2000機で15分の演出を行えば100万人民元の売り上げが立つ計算だ。ある企業では、繁忙期に1日で8公演を同時開催し、24年の売上高は2億人民元に達したという。産業チェーンの拡張に連れて、研究開発、販売、メンテナンス、操縦士育成などの求人も急増中だ。一方、企業側が最も重視する人材選考ポイントは「新分野に対する高い学習適応力」とみられる。


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