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  ニュース     2025/10/09 14:38 NEW!!

中国:「歩く硫酸」ハネカクシ、河南各地で被害拡大 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国の河南省各地で、強酸性の毒液を持つ「ハネカクシ」の被害が広がっている。皮膚に触れると火傷のような炎症を起こすことから「歩く硫酸」とも呼ばれ、洛陽や南陽などで住民の被害が相次いだ。洛陽市孟津区の建設現場では防護ネットや足場を覆うほどの群れが確認され、作業員らは恐れて近寄れないという。中国の複数メディアが伝えた。

 南陽市の4歳女児は9月10日、首の痛みを訴え、診療所を受診したが症状は悪化。12日に市立病院で「ハネカクシの毒液による皮膚炎」と診断された。首の周囲は赤く腫れ、水疱や潰瘍を伴い、20日以上経過しても完治していない。母親は「この虫のことを知らなかった」と語る。

 河南省では9月以降、各地で同様の報告が相次ぎ、皮膚炎患者が急増している。駐馬店市中心病院では、皮膚科の受診者が1日に15人を超える日もある。多くは虫を叩きつぶした際、体液が皮膚に広がって炎症を起こすケースで、医師は「決して手で叩かず、吹き払うか軽くはじき落とすように」と注意を呼びかけている。

 ハネカクシは小型甲虫で、世界で6万6000種以上が知られる。人に害を与えるのは20種前後に限られ、中国では2~3種が分布。体内に含まれる強酸性の「ペデリン酸」が皮膚に炎症を引き起こす。感染後は石けん水で洗い流し、患部をかかずに医療機関を受診するのが望ましい。

 専門家によると、気温の上昇によって虫の活動期が長期化した可能性があるという。一方、春先に同様の被害が見られた武漢市などでは、現在のところ新たな患者増加は報告されていない。


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