【亜州ビジネス編集部】ハイテク産業の育成を図る「国家高新技術産業開発区（国家高新区)」は近年、高品質な発展を実現し、中国経済を支える重要な成長ドライバーとなっている。今年1～4月にかけて、国家高新区の一定規模を超える工業企業の売上高は10兆2600億人民元（約205兆円）に達し、前年同期比で7.3％増加した。イノベーションが推進され、産業のクラスター化による効果が持続的に発揮されている。工業情報化部の情報として、中国政府系メディアが4日付で報じた。

　このうち、北京市中関村の次世代IT産業はすでに1兆人民元規模の産業クラスターに成長した。武漢東湖の光電子情報産業の規模は全国全体の50％を占める規模だ。さらに、国家高新区の工業企業はこれまでに量子情報、人型ロボット（ヒューマノイド）、次世代インターネットなど先端分野に戦略的に進出。これらの未来産業で、すでに一定の競争優位性を確立している。

　全国の国家高新区は足元で178カ所。国家製造業イノベーションセンターの70％、全国重点実験室の80％が集積し、発明特許件数は全国の約半分を占めている。基礎研究から応用転化までの完全なイノベーションチェーンが形成された。2024年末までに、国家高新区は全国33％のハイテク企業、46％の「専精特新企業（専門化・精密化・特徴化・斬新化という4つの優れた特徴を持つ企業）」の小巨人企業、67％のユニコーン企業を集積した。24年の域内総生産（GDP）は19兆3000億人民元に達し、名目ベースで前年比7.6％増加。このうち工業付加価値は5.8％増の9兆8000億人民元に膨らんだ。

　次のステップとして、工業情報化部はイノベーション能力の向上に注力。国家高新区で高機能なイノベーションプラットフォームの整備を進める方針だ。独創的かつ革新的な科学技術の発展を促進し、核心技術の一連のブレークスルーを支援。国家高新区が経済成長の安定化と産業構造の転換における戦略的支点としての役割を継続的に果たせるよう後押しする。


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