ニュース 2025/08/19 11:11
中国EV業界の海外投資160億ドル、国内投資を初めて超過 
産業・企業 経済・統計
【亜州ビジネス編集部】中国の電気自動車(EV)業界で2024年に、海外投資が初めて国内投資を上回った。ただ、海外投資プロジェクトはコスト高や遅延などのリスクが多く、一部企業は計画の棚上げや中止を発表している。
ブルームバーグ通信が18日、調査会社ロジウム・グループのリポートを引用する形で報じたもの。リポートによると、EVサプライチェーンに属する中国企業の海外投資は24年に計160億米ドル(約2兆3600億円)に達した。国内投資の150億米ドルを7%上回っている。海外投資の大部分はバッテリー生産関連だった。
ロジウムによると、これまでは投資の約80%が国内に振り向けられていたが、足元で大きな変化が見られる。中国国内の生産能力の過剰、長期間にわたる価格競争により、サプライチェーンの各段階で利益率が圧迫されるなか、中国企業は海外市場の開拓を迫られている格好だ。欧米の関税を回避する意図もあり、中国企業は現地に生産拠点を設置している。ロジウムのアナリストは「海外投資が国内投資を上回ったことは、中国市場の飽和に加え、より高いリターンが得られる海外市場の戦略的な魅力を反映したもの」と指摘した。
ただ、海外プロジェクトは相対的にコストが高く、建設周期も長い。また、現地の規制や政治的なリスクも大きいのが現状だ。ロジウムによると、中国のEVメーカーが発表した海外EVプロジェクトのうち、既に完工しているのは25%にすぎず、同比率は国内プロジェクトの45%を大きく下回っている。
比亜迪(BYD:1211/HK)は先ごろ、メキシコでの工場建設計画を棚上げすると発表した。地政学的な緊張や米国の関税政策の見通しが不透明なためだ。また、電池メーカーの蜂巣能源科技(SVOLT)はこれまでに発表した海外投資プロジェクトのうち、99%を取り消したとロジウムは指摘している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
ブルームバーグ通信が18日、調査会社ロジウム・グループのリポートを引用する形で報じたもの。リポートによると、EVサプライチェーンに属する中国企業の海外投資は24年に計160億米ドル(約2兆3600億円)に達した。国内投資の150億米ドルを7%上回っている。海外投資の大部分はバッテリー生産関連だった。
ロジウムによると、これまでは投資の約80%が国内に振り向けられていたが、足元で大きな変化が見られる。中国国内の生産能力の過剰、長期間にわたる価格競争により、サプライチェーンの各段階で利益率が圧迫されるなか、中国企業は海外市場の開拓を迫られている格好だ。欧米の関税を回避する意図もあり、中国企業は現地に生産拠点を設置している。ロジウムのアナリストは「海外投資が国内投資を上回ったことは、中国市場の飽和に加え、より高いリターンが得られる海外市場の戦略的な魅力を反映したもの」と指摘した。
ただ、海外プロジェクトは相対的にコストが高く、建設周期も長い。また、現地の規制や政治的なリスクも大きいのが現状だ。ロジウムによると、中国のEVメーカーが発表した海外EVプロジェクトのうち、既に完工しているのは25%にすぎず、同比率は国内プロジェクトの45%を大きく下回っている。
比亜迪(BYD:1211/HK)は先ごろ、メキシコでの工場建設計画を棚上げすると発表した。地政学的な緊張や米国の関税政策の見通しが不透明なためだ。また、電池メーカーの蜂巣能源科技(SVOLT)はこれまでに発表した海外投資プロジェクトのうち、99%を取り消したとロジウムは指摘している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。