中国の物価上昇ペースが安定している。国家統計局は10日、2019年6月の消費者物価指数（CPI）が前年同月比で2.7％上昇したと発表。伸び率は市場予想、前月実績（ともに2.7％）と一致している。エリア別の上昇率は、都市部、農村部ともに2.8％だった。
　品目別の上昇率は、食品・たばこ・酒類が6.1％、衣類が1.8％、住居が1.6％、生活用品・その関連サービスが0.8％、教育・文化・娯楽が2.4％、医療・保険が2.5％、その他用品・その関連サービスが2.7％で推移した。うち食品・たばこ・酒類の6.1％値上がりによって、CPI全体が1.79ポイント押し上げられている。中でも果物は42.7％値上がりし、CPIを0.71ポイント押し上げた。半面、水産物は0.5％値下がりし、CPIを0.01ポイント押し下げている。
　このほか、6月の生産者物価指数（PPI）は前年同月から横ばいの0.0％。伸び率は前月実績（0.6％）、市場予想（0.2％）を下回った。
　工場出荷価格では、生産資材が0.3％低下し、生活資材が0.9％上昇した。生産資材は採掘が4.5％値上がりし、加工が横ばい。原材料は2.1％低下した。一方、生活資材の上昇率は、食品が2.2％、衣類が1.6％、一般日用品が0.5％。耐久消費財は0.9％下落した。
　製造業の調達価格は0.3％値下がりした。主要業種の物価動向は、燃料・動力が0.2％安、鉄系金属材料が4.3％高、非鉄金属材料・電線が3.5％安、化学工業原料が4.7％安、木材・パルプが3.0％安、建材・非金属類が4.3％高、その他工業原材料・半製品が0.2％安、農業副産物が1.9％高、紡織原材料が0.2％安だった。
　工場出荷製品の主要業種別値上がり率は、石炭・選鉱が3.4％、鉄系金属が18.5％、非鉄金属・採掘が0.8％、酒・飲料・製茶が1.4％、たばこが2.8％、紡織・アパレルが0.9％など。一方、値下がり率は石油・天然ガスが1.8％、製紙・紙製品が6.7％、化学原料・化学製品が4.8％などとなっている。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。