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  ニュース     2019/08/22 19:40

中国:エアコン業界に逆風、小売販売額は10%マイナス成長 無料記事

 中国のエアコン業界に“寒風”が吹き込んでいる。国家情報センターの統計によれば、2018年8月〜19年7月にかけた「2019年冷凍年度」の販売台数は、中国全体で前年同時期比7.59%減の6056万台に落ち込んだ。値下がりも進んだ結果、小売販売額は9.95%も減少している。経済日報が21日付で伝えた。

 国家情報センターによれば、エアコン業界の不振は、それ以前の過去3年にわたる急成長の反動、家庭用エアコン市場の飽和、不動産投資の鈍化などによるもの。各メーカー間の製品同質化が進行するなか、売り上げ低迷が鮮明化したという。

 値下がり圧力が強まったことで、経営体力が乏しい中小メーカーは特に苦戦した。逆に珠海格力電器(Gree:000651/SZ)、広東美的集団(Midea:000333/SZ)、青島海爾(Qingdao Haier:600690/SH)をはじめとする大手グループは、合算の国内販売シェアが82.37%にまで拡大。前年同時期と比較し、比率は1.93ポイント上昇した。

 市場調査会社の奥維雲網(AVC)によると、今年1〜7月の中国エアコン販売は、前年同期比0.6%減の4114万台。小売販売額は3.8%減の1369億人民元(約2兆600億円)に落ち込んだ。

 ただ、伸び代が消滅したわけでない。100戸当たりの家庭普及台数は、中国で都市部が130台に上る一方、農村部は55台にとどまるためだ。しかも洗濯機と事情が異なり、部屋ごとに設置が可能。洗濯機の普及台数からみても、農村市場の販売余地は大きいと言える。

 また、毎年1割の更新需要を想定。保有台数が積み上がるなか、更新需要は毎年4000万〜5000台の規模に上る計算だ。

 「2018年冷凍年度」(2017年8月〜18年7月)の中国エアコン販売は6553万台に達し、前年同期比で16.56%増加した。地方市場の拡大や大都市の新製品・ハイエンド製品に対する買い替え需要などで、2ケタ成長を維持している。

 家電産業に占めるエアコンの規模は巨大。生産額は関連産業全体で6600億人民元を超え、家電業界全体の4割を占める。


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