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  ニュース     2020/05/01 18:59

テスラが中国産「Model 3」10%値下げ、30万元未満で補助適用へ 無料記事

 中国製の主力セダン「Model 3」について、米電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA/NASDAQ)は1日、小売価格をこれまでの「32万3800人民元」から「29万1800人民元」に9.9%引き下げると正式発表した。国の購入補助を受けると取得額は27万1550人民元にまで低下する。中国政府がEVなど新エネルギー車(NEV)購入補助金の要件を厳格化したことに対応。給付対象として設定された価格上限の30万人民元(456万円)以下に抑える。

 上海市に整備した自社初の海外組立工場「ギガファクトリー3」で生産しているスタンダードモデルの価格を調整した。1月の9%調整に続く今年2回目の値下げとなる。

 中国メディアの報道によれば、マスクCEOは、「(30万人民元以下に)値下げしても、粗利益を確保できる」と自信を示した。同社のザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)は、「上海製Model 3の生産コストはすでに今年第1四半期時点で米国産を下回った」と説明。「中国でのサプライチェーン改善につれて、利益率はさらに改善していく」との見方を述べている。

 中国産Model 3の部品現地調達率は、足元で30%程度にまで拡大した。今年7月には70〜80%までに上昇する見込み。年内には全部品を中国製に代替する計画とされるだけに、中国産Model 3の値下げ余地は大きいという。

 中国財政部などは4月23日、「NEV補助政策の調整に関する政策的な通知」を発表し、新たな補助金交付条件を示した。航続距離は300?以上に設定。さらに価格上限を30万人民元に定めたうえで、それ以下の価格で販売されたNEVに対してのみ購入補助を与えるよう改めている。

 自動車業界全体が新型コロナウイルス危機に見舞われるなかでも、テスラは好業績を維持している。今年1〜3月期は3四半期連続の黒字計上を達成した。1〜3月にかけた業績は、売上高が前年同期比32%増の59億8500万米ドル(約6410億円)、純損益が黒字1600万ドル(前年同期は赤字7億200万米)で推移している。



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