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  ニュース     2020/06/05 18:59

中国スマホ勢の5G海外市場開拓、半年遅れで再始動 無料記事

 「第5世代移動通信(5G)普及元年」といわれる今年、中国勢が海外マーケット開拓に意欲を燃やしている。新型コロナウイルスの蔓延で一旦停滞した世界のスマートフォン(スマホ)市場が徐々に回復するなか、中国スマホメーカーは年初に掲げたグローバル化戦略を半年遅れで再び始動している。21世紀経済報道が5日付で伝えた。
 中国のスマートフォン製造大手、広東欧珀移動通信有限公司(OPPO)はこのほど、ドイツ・デュッセルドルフに西欧エリア本部を開設したと宣言している。すでに設置済みの欧州事務所に続く2カ所目の現地拠点となった。同業大手の維沃移動通信(vivo)も、2019年末にドイツに西欧本部を設立した。
 市場調査会社のカナリスによると、欧州市場のOPPOスマホ出荷台数は、今年第1四半期(1〜3月)に前年同期の11倍に急増。現地シェア第5位に躍進した。コロナショックで、足元では欧州、インド、東南アジア、南米などの重要市場が一時的に停滞している情勢にあるが、欧州市場で後発組となるOPPOとvivoは積極姿勢を堅持する。
 OPPOから分離した低価格スマホブランドの「Realme」(深セン市鋭爾覓移動通信有限公司)は、欧州に厚い期待を寄せる。欧州市場について徐起・副総裁は、「今年の最重要マーケットの一つ」と言い切った。「欧州のスマホ販売はコロナ感染の影響を免れなかったものの、6〜7月の市況回復を見越して前向きな準備を続けている」と表明。「欧州事業は下半期、特に11〜12月に展開される大型インターネット販促期に勝負をかける」と意欲的だ。「年末の一大商戦“ブラックフライデー”は年間を通じて最も出荷貢献度が高い重大イベントだ」との見方を強調した。
 コロナ感染期でもRealmeは、新製品の海外投入と現地販売事業者とのコネクション作りを絶えず積み上げてきた。新興市場の開拓にも積極的。かねて進出準備を進めてきたトルコ、イスラエル、ベラルーシなどでも、感染の落ち着きを見計らって現地企業との商談を本格化している。
 Realmeがインドに擁する現地工場は、現時点で従業員の新型コロナ感染が出ていない。全従業員に新型コロナのPCR検査(核酸検査)を実施して安全を確認した上で、限定的ながら工場を再稼働させた。
 調査会社ガートナーによると、今年1〜3月の世界スマホ販売は概算2億9900万台に低迷し、前年同期比で20%超も急減。過去最大の落ち込みを経験している。コロナ感染拡大で3月以降に多くの国・地域で経済の不確実性が増したためだ。多くのスマホ工場は稼働停止に追い込まれている。


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