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  ニュース     2020/05/26 18:59

テンセントがマーベラスと資本業務提携、49億円出資で筆頭株主に 無料記事

 中国のインターネットサービス最大手、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が日本のゲーム開発会社マーベラス(7844/東証1部)と資本業務提携を結び、約49億円を出資することが分かった。マーベラスが25日発表したもので、テンセントの全額出資子会社は議決権ベースで約20%に相当する株式を取得。単独の出資者としては筆頭株主になる運びだ。

 発表によると、テンセント子会社のイメージ・フレーム・インベストメントが第三者割当増資を引き受けるほか、既存株主から一部株式を譲り受ける。イメージ・フレーム・インベストメントの出資比率は約20%となり、マーベラスの筆頭株主に浮上。一方、マーベラスはテンセントの持分法適用会社となる。

 業務面では、マーベラスはテンセントとの提携により保有IP(知的財産)の育成とグローバル展開を推進するほか、新規IPへの大型投資、新規事業への投資を加速させていく。一方のテンセントは、グローバル展開可能な新規IPの創出、日本特有のユニークな文化を基にしたビジネスモデルの習得とその中国展開を図る。

 両社はすでにゲーム事業で提携し、2019年3月にはマーベラスの牧場運営ゲーム「牧場物語」のモバイルゲーム展開でライセンス契約を締結済みだ。第5世代(5G)移動通信システムの導入など技術が高度化し、それに伴う投資も膨らんでいく中、マーベラスはテンセントとの提携関係を強化することで大型投資を可能とし、新たな事業機会の模索とエンターテイメント市場におけるプレゼンスの向上を図る。

 テンセントはゲーム事業への投資を継続。これまでに米国のアクティビジョン・ブリザード、ライアットゲームズ、エピック・ゲームズに出資したほか、16年10月にはフィンランドのスーパーセルを傘下に収めた。18年2月には、中国の盛大遊戯(シャンダゲームズ)に戦略投資したことが明らかになっている。

 テンセントはネット・モバイル関連の付加価値サービス、ネット広告、Eコマースを収益の柱とする。看板商品のIM「QQ」で築いた膨大な顧客基盤とブランド力を背景に、SNS、ミニブログ、オンラインゲームなど次々と新分野を開拓してきた。足元では、スマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の利用者が12億人を突破。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。


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