中国で新車小売市場が再びマイナス成長に転じている。2020年6月の乗用車小売台数は、狭義ベース（マイクロバスを除く）で前年同月比6.2％減の165万4000台。2カ月ぶりに縮小に転じた。ただ、前月比では2.9％増加している。全国乗用車市場信息聯席会（乗聯会）が8日報告した。
　6月の小売台数が前年同月比で減少した要因について、乗聯会は比較対象となる前年同月の実績が高かった点に言及。19年6月は新排ガス基準の導入を見越した駆け込み需要が発生していたと指摘した。一方で、前月比では増加しており「V字回復」傾向を示しているとの見方。新型コロナウイルス流行後に実施された消費刺激策の効果が出始めていると分析した。なお乗聯会のデータによると、中国の乗用車小売台数は今年5月に前年同月比1.8％増の160万9000台に伸び、11カ月ぶりにプラス成長を回復していた。
　車種別の6月小売台数は、セダンが前年同月比9.8％減の79万9000台、MPV（ミニバン）が26.9％減の8万9000台とマイナス成長が続く半面、スポーツ用多目的車（SUV）が1.2％増の76万6000台に伸びた。前月比では、セダンが4.0％増、MPVが5.0％増、SUVが1.5％増で推移している。マイクロバスを含む広義ベースでは、全体の小売台数が前年同期比6.5％減の168万台（マイクロバスは20.8％減の2万6000台）だった。
　1〜6月の累計では、狭義ベースで前年同期比22.5％減の770万4000台、広義ベースで22.5％減の784万4000台となっている。
　メーカー別の6月国内小売ランキング（狭義ベース）は、一汽大衆が17万9000台で首位をキープ。2位以下には、上汽大衆の14万5000台、上汽通用の12万7000台、東風日産の11万1000台、吉利汽車の10万6000台、重慶長安汽車の8万1000台、一汽豊田の7万5000台、広汽豊田の7万4000台、広汽本田の7万2000台、東風本田の7万1000台が続いた。
　このほか、新エネルギー乗用車の6月卸売台数は前年同月比34.9％減の8万5600台に縮小。減少率は前月の25.8％から拡大した。うち電気自動車（EV）が40％減の6万7000台、プラグインハイブリッド車（PHV）が11％減の1万7700台で推移している。ただ、全体の卸売台数は前月比で20.1％増加した。


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