経営難が伝えられている中国自動車メーカーが力帆(Lifan Motors：601777/SH）に債務不履行が発生した。資金繰りがひっ迫するなか、3月15日に満期を迎えた債券「16力帆02」について、償還不能に陥ったと15日発表している。「16力帆02」は16日から上海証券取引所・固定収益証券総合電子プラットフォームでの取引を停止した。

　力帆の発表によると、「16力帆02」は2016年3月15日に発行。証券コード「136291」で取引されていた。発行総額は11億人民元（約169億円）。未償還の債券残高は5億3030万人民元（約81億4592万円）で、利率は7.5％に設定していた。

　デフォルトの要因として、国内自動車業界の低迷と自社キャッシュフローの悪化を説明した。力帆の2月経営実績は、乗用車の生産・販売がともにゼロ。1〜2月累計でも158台にとどまった。うち内燃機車が前年同期比98.54％減の143台、新エネルギー車（NEV）が95.38％減の15台に落ち込んでいる。

　祖業の自動二輪車部門は販売を伸ばしたものの、数年にわたり赤字続きの力帆にとって二輪車部門の成長は“焼け石に水”。四輪車部門のシェアが急速に低下するなか、足元で抱える負債は自社の償還能力を超えたという。

　力帆が抱えるデフォルト関連訴訟案件は、総額22億人民元に積み上がった。信用格付けは従来の「AA-」から「BBB」に引き下げられただけに、今後の資金調達は一層厳しさを増すとみられている。

　19年6月の中間期決算報告書によると、力帆の借り入れ債務は総額232億6800万人民元（約3612億円）に膨らんだ。19年6月末時点で銀行からが127億8200万人民元、銀行以外からが104億8600万人民元に達している。すでに獲得した銀行与信枠81億3600万人民元のうち81億1000万人民元を消化済み。残余枠がわずか2600万人民元に過ぎない事態にまで追い詰められた。


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