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  ニュース     2020/07/20 19:19

台湾EMS緯創、中国のiPhone組立子会社を立訊精密に売却へ 無料記事

 台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)大手、緯創資通(ウィストロン:3231/TWSE)は17日、米アップルのスマートフォン「iPhone」の組み立てを手がける中国子会社を現地同業の立訊精密工業(ラックシェア:002475/SZ)に売却すると発表した。譲渡するのは江蘇省の子会社2社で、売却価格は33億人民元(約500億円)。譲渡手続きは2020年末までに終了する見通しだ。複数メディアが伝えた。

 中国子会社の譲渡について、緯創は「事業ポートフォリオの最適化とグローバル化に向けた取り組み」と説明。今回の売却により、緯創の「iPhone」組立工場はインドのみとなる。一方の立訊精密は、中国企業としては初めて「iPhone」組み立てに参入する格好。「iPhone」の組み立ては現在、緯創に加えて、鴻海精密工業(ホンハイ:2317/TWSE)、和碩聯合科技(ペガトロン:4938/TWSE)の台湾3社が請け負っている。

 立訊精密は成長目覚ましい中国のEMS事業者。鴻海傘下工場で働いていた王来春氏が2004年に設立した。コネクタなど電子部品のメーカーとして起業したした後、アップルや華為技術(ファーウェイ)の取引先を買収するなどして経営規模を拡大。現在はこれら大企業を顧客にEMS事業を手がけ、“本家”の鴻海を脅かす存在へと成長している。

 立訊精密の急成長は、アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」の受託生産事業によるところが大きい。同社は17年、「AirPods」の生産を受託した。上場当時に10億人民元ほどだった同社の売上高は、直近決算の19年12月期で625億人民元まで拡大。純利益は47億人民元と、上場当初に比べて40倍近くに膨らんだ。


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