中国人民銀行（中央銀行）は10日、2020年3月末のマネーサプライM2が前年同月比10.1％増の208兆900億人民元（約3177兆円）だったと発表した。増加率は前月を1.3ポイント、前年同月を1.5ポイント上回っている。市場予想は8.8％だった。

　複数メディアによると、M2の伸びが10％を上回るのは17年3月以来。新型コロナウイルス流行を受け、人民銀が預金準備率の引き下げなど緩和的な金融政策を実施したことが背景にあるとみられている。ただ、企業向け融資が実際の生産活動などに投入されるにはタイムラグがあるため、市場関係者の間では「消費や鉱工業生産など経済指標の回復は4月まで待つ必要がある」との見解も示されている。

　M1は5.0％増の57兆5100億人民元。伸び率は前月を0.2ポイント、前年同月を0.4ポイント上回った。M0は10.8％増の8兆3000億人民元。


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