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  ニュース     2020/08/17 18:59

中国:7月末M2は10.7%増、前月比で伸び0.4ポイント減速 無料記事

 2020年7月末の広義通貨(M2)は、中国で前年同月比10.7%増の212兆5500億人民元(約3258億4000億円)に達した。伸び率は6月から0.4ポイント減速している。一方、狭義通貨(M1)は6.9%増の59兆1200億人民元、流通貨幣(M0)は9.9%増の7兆9900億人民元で、伸び率はいずれも6月から0.4ポイントずつ拡大している。中央銀行の中国人民銀行が発表した。
 7月末の貸出(外貨建てを含む)は13.0%増の172兆3600億人民元に上る。うち人民元建て貸出は13.0%増の166兆1900億人民元で、伸び率は6月から0.2ポイントの低下。7月中の人民元貸出は9927億人民元の純増で、昨年7月より631億人民元少なかった。純増額が前年を下回るのは半年ぶりとなっている。
 7月末の社会融資残高は12.9%増の273兆3300億人民元、伸びは6月の12.8%から拡大した。非金融企業国内株式の増加率が6月の6.6%から7.5%に拡大している。
 銀行保険監督管理委員会によれば、2020年上半期の銀行業の純利益は1兆268億人民元で、前年同期比で9.4%減少した。貸出金利低下により、預貸金利ざやが昨年上半期の2.18%から2.09%に0.09ポイント縮小している。
 一方、銀行の不良債権比率が引き続き悪化した。中国銀行保険監督管理委員会の発表によると、国内商業銀行の不良債権比率は20年6月末時点で1.94%となり、3月末の1.91%から0.03ポイント上昇している。同比率の悪化は2四半期連続。不良債権残高は2兆7364億人民元(約41兆6960億円)となり、3月末比で1243億人民元(↑4.8%)増加している。6四半期連続で拡大した。
 “不良債権の予備軍”とされる「関注類(注目先)」の貸出残高は3兆8841億人民元。こちらは3月末比で1704億人民元(↓4.2%)減少した。中国の商業銀行は、融資先の返済能力に基づいて債権を「正常類(正常先)」「関注類」「次級類(要注意先)」「可疑類(破たん懸念先)」「損失類(破たん先)」の5段階に分類。うち「次級」「可疑」「損失」が不良債権と位置付けられている。
 貸倒引当金の残高は4兆9912億人民元。3月末比で2060億人民元(↑4.3%)増加している。不良債権引当カバー率(不良債権に対する貸倒引当金のカバー率)は182.40%と、3月末の183.20%から0.80ポイント低下した。
 6月末時点の国内金融機関の総資産は309兆4087億人民元、総負債は283兆9314億人民元。前年同期比でそれぞれ9.7%、9.5%増加した。半面、商業銀行全体の純利益は1〜6月に1兆268億人民元となり、前年同期比で9.4%減少。1〜3月の5.0%増からマイナス成長に転じた。


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