中国三大通信キャリアの一角がこのほど、衛星電話の正式商用サービスに乗り出した。中国電信(チャイナ・テレコム：728/HK)が自社開発の「天通衛星移動通信システム」を投入する。「1740」を先頭とする電話番号を使用し、会話、ショートメッセージ、データ通信、位置情報などのサービスを提供。4G通信規格ながら陸上、海域の中国全土を網羅する。中国新聞網が13日に伝えた。

　基本料金は国内通話60分（月間）で月額100人民元から。通話720分（1年間の合計）で年間1000人民元に設定した。データ通信の基本料金は、20M(月間)で月額300人民元。240M（1年間の合算）で年間3000人民元とする。

　一般の携帯端末は利用できない。足もとでは、工業和信息化部（工業情報化部）が人工衛星通信ネットワークのアクセス権を与えた25種に限られる。最も安価な端末「DT120」は小売価格5999人民元（約9万5600円）。それ以外は1万人民元前後で売られている。

　中国電信は2018年3月、商用サービスの試行に着手した。足もとで3万件（人）近くのユーザーを擁する。

中国電信は固定通信キャリアの国内最大手。携帯電話では国内3位。固定電話の加入は減少が続くが、08年の業界大再編で携帯電話事業に参入した。13年12月に4G、19年6月に5Gの商用化ライセンスを取得。19年は5G関連の設備投資に90億人民元を投じた。


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