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  ニュース     2020/02/12 18:59

中国:企業活動10日再開は自動車7割、ディーラー3割どまり 無料記事

 新型コロナウイルスの感染拡大で停止されていた企業活動が10日から中国各地で再開された。自動車業界では、主要完成車メーカー25社のうち、76%に相当する19社が全面稼働、または一部ラインを稼働している。残る6社は春節後の稼働時期を17日に再度延期した。現地ネットメディアの鳳凰網が独自調査結果として11日に伝えている。
 10日から活動再開した企業は、一汽紅旗、一汽奔騰、一汽大衆汽車(一汽VW)、北京汽車、北京奔馳(北京ベンツ)、北京現代、長城汽車、上汽乗用車、上汽大衆(VW)、上汽通用(上汽GM)、長安汽車、長安福特(長安フォード)、奇瑞汽車、広汽三菱、テスラ、小鵬汽車、蔚来汽車など。広州汽車、広汽本田(広汽ホンダ)、広汽豊田(広汽トヨタ)などは1週間後の17日に再延期した。
 車各社の稼働再開は現地の規定に沿って決定されている。感染拡大が最も深刻な湖北省では、少なくとも14日まで企業活動を停止するよう求められた。さらに活動再開企業であっても、一部ラインの稼働にとどまるケースは多い。例えば上海VWが10日に稼働した生産拠点は上海工場のみ。その他工場は17日まで先延ばしされた。労働者確保の難度も高い。春節休暇で帰省した労働者の一部は、交通封鎖で職場復帰できていない。都市部に戻っても14日間の自宅待機を求められるという。
 再稼働後も見通し不透明な状況は続く。一旦、工場内で感染が確認されれば、消毒のために再び設備を停止せざるを得ず、労働者全員の隔離観察が求められるため。従業員をグループに分けて段階的に復帰させるなど、企業側も様子見スタンスにあるという。
 米市場調査会社HISは予測リポートで、「中国車メーカーが10日に生産再開すれば、第1四半期の業績悪化を20%以内に抑えられる」と試算した。しかし再稼働19社がフル稼働態勢にない現実を踏まえれば、実際の業績下押し圧力はこれを上回る恐れがある。
 一方、自動車ディーラー業の営業再開にも遅延がみられる状況だ。中国汽車流通協会が中国主要エリアを拠点とするディーラー約30社が展開する「4S店」(販売:Sales、スペアパーツ:Sparepart、アフターサービス:Service、情報フィードバック:Surveyを扱う総合ディーラー)1067店を調査したところ、10日に営業再開したのは3割弱の302社にとどまった。営業再開遅延の理由としては、「地方政府の承認審査厳格化」(68%)を挙げる店が最多。「店員の安全や感染予防物資の不足を総合的に考慮した」(24%)との回答も多かった。


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