自動車保険に関して、北京市の業界団体が保険料の実名制納付を義務付けるルール作りを進めている。車両保険料の納付者を車保有者に限定する内容。保険金詐欺やマネーロンダリング、商業賄賂など保険業界にはびこる犯罪行為を抑制する効果を期待している。易車網などが10日付で伝えた。

　北京保険業界協会はこのほど、「車両保険加入者の実名納付作業に関する実務要点」を策定。市内の各損害保険会社や中国銀行保険監督管理委員会北京支社に公開した上で、意見書の募集を始めた。

　このガイドラインでは、保険加入者に対して、保険会社が本人名義の銀行口座を保険料の引き落とし口座とするよう要求できる旨を明記。「保険料の納付を受ける際に、保険会社は支払口座の情報に虚偽がないよう確認しなければならない」と定めた。

　車両保険料の実名制納付は、すでに江蘇省、河南省、広東省など中国の20行政区で実施されている。

　中国銀行保険監督管理委員会によれば、2019年に中国保険業の収入保険料は、前年比12.2％増の4兆2645億人民元（約64兆6100億円）に拡大した。伸びは18年の3.9％と比較し、8.3ポイント加速している。うち損害保険会社の収入保険料は1兆3016億人民元。なかでも車両保険が8188億人民元と、全体の62.9％を占めた。


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