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  ニュース     2020/07/31 18:59

中国:同仁堂“カフェ型店舗”で若年層開拓、薬膳コーヒーなど提供 無料記事

 中医薬中国大手の北京同仁堂(600085/SH)グループがビジネスモデルの転換を進めている。コーヒーやパンなどを販売するカフェ型店舗を展開。枸杞(クコ)の実入りカフェラテなどの薬膳メニューを提供して、若年層らを引き付けている。毎日経済新聞などが7月31日までに伝えた。
 新店舗の運営母体は、IT技術を駆使した「新小売(ニューリテール)」企業として同仁堂が2019年1月に設立した北京知嘛健康科技有限公司だ。店舗は2階建てで、1階にドリンクコーナーを設置。パンやハーブ系コーヒー、薬膳スープなどを提供している。うち主力商品「クコの実入りカフェラテ」の価格は32人民元(約478円)と、スターバックスのカフェラテ(トールサイズ)と同水準だ。このほか、パッケージングされた健康食品など持ち帰り商品も扱う。2階部分は中医薬コーナーで、問診に基づく中医薬販売のほか、はりやマッサージなども提供する。
 現在、北京市内で2店舗を展開中。うち、大興区の同仁堂工場敷地内に設けた旗艦店は、店舗面積2万平方メートルの広さ。レストランも併設している。もう1店舗は、朝陽区の商住複合施設「富力城」内に構え、面積500平方メートルの生活コミュニティ向け店舗で、1000SKUを超す商品を取りそろえた。富力城店の来店客数は、平日でも500〜600人、週末で1000人を超える盛況ぶり。1日の売り上げは、平日でも3万〜6万人民元(約44万7000〜89万5000円)、週末なら10万人民元を超える。
 知嘛健康は、ネット通販も展開中。将来的には、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)傘下の医薬品情報サイト「阿里健康」や、医療・ヘルスの垂直型サービスモデルを構築した美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)のような、メディカル・ヘルスケア領域のビジネス生態系を構築したい考えだ。
 中国リサーチ会社のiiMedia Researchによると、中国のコーヒー産業市場規模は15年の700億人民元から20年には3000億人民元までに急拡大すると見込まれている。中国カフェチェーン大手、瑞幸コーヒー(ラッキンコーヒー)の目論見書によると、2018年に6.2杯だった中国人の1人当たりコーヒー消費量は、23年に10.8杯に増加する見通しだ。


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