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  ニュース     2020/07/27 19:29

「5G世界独走」中国、端末出荷は年内1億台突破へ 無料記事

 中国の第5世代(5G)移動通信サービス市場が急ピッチに拡大している。工業和信息化部(工業情報化部)は23日、5G対応スマートフォン(スマホ)出荷台数が累計8623万台に達したと発表した。年内の1億台突破に自信を示している。21世紀経済報道が24日付で伝えた。

 工業情報化部・情報通信発展司の聞庫・司長は、通信網への接続を許可した5G端末が197機種を数え、実際に利用されている5G端末は今年6月末までの累計で6600万台に積み上がっていると指摘。スマホの買い替えが進むにつれて、この数字は月を追って急速に伸びていくとの見方を示した。

 5Gスマホの価格下落が普及を後押しすると予想。5Gスマホの多くは足元で数千人民元のハイエンド機種に集中しているものの、多種多様な機種が市場投入されるにつれて価格1000人民元(約1万5100円)程度のミドル・ローエンド機種も登場している現状を指摘した。

 中国では、5G通信網の整備も進んでいる。国営通信キャリアの中国移動(China Mobile:941/HK)、中国聯通(China Unicom:762/HK)、中国電信(China Telecom:728/HK)が整備した5G基地局数は、6月末時点の合算で40万基を超えた。専門家によると、中国では週平均1万5000基の5G基地局が新規開通している。このハイピッチが持続すれば、年末の基地局数は70万カ所を超え、全国の地級以上都市すべてを基本的にカバーする見通しだ。

 工業情報化部直轄のシンクタンクである賽迪顧問(CCIDコンサルティング)の彭健・無線電管理研究所副所長は、「基地局数、利用者数でみた5G市場で、中国は世界を圧倒的にリードしている」と指摘。足元では個人消費者向けサービスを中心に市場形成が進んでいると現状を解説した。規格面などで各産業界との調整期間を要する企業向けサービスに比べて、個人向けは通信キャリア主導で5Gへの切り替えが可能なためという。当面の投資回収先とみなして、通信各社は足元で個人向けサービスに力点を置いていると分析した。

 もっとも、“5Gの大本命”とも言われる製造業向けサービスの市場開拓にも、各通信キャリアは意欲的だ。中国移動など通信各社は、5G専用通信網の整備計画を相次ぎ発表。企業向け商用モデルの確立を模索し始めている。

 専門家によれば、5G市場全体に占める個人向けマーケットに比率は2割程度。モノのインターネット(IoT)技術を活用した企業向け応用市場は、5Gの主戦場になると目されている。


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