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  ニュース     2020/03/31 18:59

中国:3月製造業PMIは52.0と大幅上振れ、節目の50上回る 無料記事

 中国国家統計局と中国物流購入連合会は3月31日、2020年3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.0だったと発表した。過去最低を記録した前月実績(35.7)と市場予想(44.8)から大幅に上振れしている。節目の50を2カ月ぶりに上回った。PMIは50を上回れば、景況感が改善していることを表す。

 新型コロナウイルスが収束に向かう中、企業の操業再開が加速している。足元の改善傾向について、国家統計局の専門家は前月の急落後の反動に加えて、調査企業の半数以上で操業再開率が前月よりもやや改善したことが押し上げ要因になったと説明。ただ、これは中国経済が正常な水準を回復したことを表すものではないと強調した。なお、3月25日時点で大中型企業の稼働再開率は96.6%に達し、2月調査時を17.7ポイント上回った。

 事業規模別の3月製造業PMIは、大・中・小企業ともに軒並み節目の50を上回った。大企業が52.6(前月比↑16.3ポイント)、中企業が51.5(↑16.0ポイント)、小企業が50.9(↑16.8ポイント)で推移している。

 各指数の変動は、生産指数が54.1(↑26.3ポイント)、新規受注指数が52.0(↑22.7ポイント)、雇用指数が50.9(↑19.1ポイント)に上昇した。一方、原材料在庫指数とサプライヤー配送時間指数はそれぞれ49.0(↑15.1ポイント)、48.2(↑16.1ポイント)と引き続き50を下回っている。

 18年1月から始まった製造業とサービス業界を合わせた「総合PMI指数」は、季節調整済みで53.0に急回復した。前月(28.9)比で24.1ポイント上昇している。総合PMI指数は中国全体の経済成長動向と景気循環サイクルを示すもので、マクロ経済の動向をより鮮明に数値で示すことが可能。EU圏、米、英、独、日など各国で報告される計算方法に沿って、各項目をウエートに応じて足し合わせている。製造業PMIと非製造業PMIでは反映しきれない、全体的な景況感を示す。

 一方、同月の非製造業PMIは52.3という結果。前月実績(29.6)と市場予想(42.0)を大きく上回っている。個別では、資本市場サービスを除き、その他セクターは程度の差はあるもののいずれも上昇に転じた。なかでも建築業ビジネスサービスは55.1(↑28.5ポイント)と上げ幅が目立った。

 このほか、新規受注指数は49.2(↑22.7ポイント)、投入価格指数は49.4(↑0.1ポイント)、販売価格指数は46.1(↑2.2ポイント)、従業員指数は47.7(↑9.8ポイント)、業務活動予期指数は57.3(↑17.3ポイント)にそれぞれ変動した。


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