中国で「影の銀行（シャドーバンキング）」の資産規模が再び拡大している。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、今年第1四半期（1〜3月）にシャドーバンキングの資産規模は59兆1000億人民元（約891兆円）に達し、前四半期比で1000億人民元の拡大となった。増加に転じるのは2年半ぶり。名目国内総生産（GDP）の60.3％に相当する規模となり、同比率は19年末の59.5％から0.8ポイント拡大した。景気下支えのための金融政策により、中国のレバレッジ（債務負担）が上昇しているとムーディーズは指摘している。外電が24日伝えた。

　ムーディーズによると、中国のシャドーバンキングはピーク時の2016年末に名目GDPの87％に相当する規模まで拡大。その後は総じて縮小傾向にあった。ただ、足元では新型コロナウイルス流行を受けて各種の景気対策が実施される中、ペースは緩やかながらも再び拡大している。


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