【亜州ビジネス編集部】　中国のレアアース輸出が低調に推移している。今年1〜7月にかけた海外輸出量は、前年同期比20.2％減の2万2800トンに低迷した。輸出額に関しても、26.0％減の2億1100万米ドル（約223億円）に落ち込んでいる。中国商務部が20日、税関統計として報告した。
　新型コロナウイルス流行の影響が及んでいる。川下産業の需要が停滞するなか、輸出がマイナス成長を余儀なくされたと説明した。そのうえで、米国の対中戦略に対抗して輸出を絞ったわけではないと補足している。
　中国産レアアースの輸出動向は、米中摩擦の新たな火種となりそうだ。中国との対立を深める米国だか、レアアース需要の8割を中国産に依存している。日本のメディアが中国海関（税関）のデータを基に報じたところによると、7月のレアアース輸出量は前年同月比69％減の1620トンに縮小した。特に4月以降、落ち込みが顕著になっているという。
　中国政府は7月、2020年のレアアース生産枠を14万トンに設定したと発表。前年生産枠を6％上回る水準に設定した。現地メディアによれば引き上げは3年連続で、生産枠は過去最高とみられる。
　過去のレアアース生産枠は18年が12万トン、19年が13万2000トンで推移した。自然資源部、工業情報化部の両部門がレアアース生産グループ6社に生産枠を通知し、その執行状況を監督・管理する。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。