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  ニュース     2020/04/08 18:59

中国:武漢の長江存儲、世界最先端128層NANDフラッシュ年内量産へ 無料記事

 中国の半導体メモリメーカーが技術力の引き上げを急いでいる。湖北省武漢市の長江存儲科技有限責任公司(長江存儲、YMTC)は、都市封鎖が解かれた8日以降、三次元(3D)NAND型フラッシュの新製品開発を一段と加速する戦略。当初に定めたスケジュール通り、128層の高密度NAND型フラッシュを年内に量産する意向だ。従業員の職場復帰率は、都市封鎖が解かれる以前から100%水準に達していたという。楊士寧CEO(中芯国際集成電路製造:981/HKの前CTO)の語った内容として、証券時報がこのほど伝えた。
 清華紫光集団(Unigroup)傘下で2016年7月に発足した長江存儲科技(長江ストレージ、YMTC)は、武漢新芯集成電路製造(XMC)を前身とする。グローバル企業の技術協力を得て、中国初の三次元NAND型フラッシュを17年10月に生産。データ書き込み・読み込みのI/O性能を大幅に高めた独自技術「XtackingTM」を導入。19年9月、64層NANDフラッシュメモリの正式量産に着手した。96層メモリは開発せず、一気に世界最先端と並ぶ128層メモリを生産する。
 64層技術が成熟化するなか、長江存儲は第2期と第3期のプロジェクトも矢継ぎ早に推進する計画だ。12インチウェーハ対応工場3カ所(第1期、第2期、第3期)がすべて稼働すれば、月産能力は合計30万枚にまで膨れ上がる。投資総額は240億米ドル(約2兆6200億円)を見込む。
 国策投資会社の紫光集団は、ICメモリ投資に積極的。江蘇省南京市(3D NAND、DRAM)、四川省成都市(ロジックIC、DRAM)でも大規模なメモリ工場を相次ぎ着工した。さらに重慶市(DRAM)、広東省広州市でもメモリ投資を進める意向。19年4月3日までに、広州高新技術産業開発区、黄浦区の現地政府と「広州半導体メモリ・プロジェクト」で協力することで覚書に調印した。


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