2020年4月の輸出入総額は、中国全体で前年同期比5.0％減の3552億2000万米ドル（約37兆8060億円）となった。うち輸出は3.5％増の2002億8000万米ドルに伸び、4カ月ぶりにプラス成長を回復。市場予想（11.0％減）に反して増加した。一方、輸入は14.2％減の1549億4000万米ドルとマイナス成長が続き、市場予想（10.0％減）を上回る落ち込みとなった。貿易収支は453億4000万米ドルの黒字だった。海関総署（税関）が7日発表した。
　輸出の予想外の増加については、企業活動の再開に伴って遅れていた輸出のペースが回復したほか、医療物資や医薬品の出荷が急増したためとみられている。市場関係者の間では、「回復は一時的」との見方も出ている状況だ。
　1〜4月の累計では、輸出入総額が7.5％減の1兆2983億3000万米ドル。うち輸出は9.0％減の6782億8000万米ドル、輸入は5.9％減の6200億5000万米ドルだった。貿易黒字は582億4000万米ドルで推移している。
　一般貿易の輸出入総額（人民元ベース）は、1〜4月累計で前年同期比4.6％減の5兆4300億人民元。輸出入全体に占める割合は59.8％となっている。うち輸出は6.3％減の2兆7700億人民元、輸入は2.7％減の2兆6600億人民元だった。
　相手国・地域別の輸出額（米ドルベース）は総じて縮小。最大の貿易相手である欧州連合（EU）が1〜4月に前年同期比で9.1％減少したほか、米国が18.2％、インドが17.0％、香港が12.5％、韓国が6.1％、日本が4.9％ずつ減少した。一方、台湾が7.1％、アセアンが1.0％ずつ増加している。
　品目別の輸出額（人民元ベース）は、輸出全体の58.8％を占める機械・電力設備の輸出額が1〜4月に前年同期比5.9％減の2兆7900億人民元。労働集約型製品では、マスクを含む紡績品が5.9％増の2613億人民元に伸びたものの、服飾、靴類、家具、プラスチック製品、バッグ、玩具は軒並み減少している。このほか、鋼材が11.7％減の2060万トン、自動車が7.2％減の31万9000台だった。


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