中国の広東省政府は23日の記者会見で、4月15日に開幕予定だった春季の「中国輸出入商品交易会（広州交易会）」を延期する方針を明らかにした。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けた決定。延期後の日程などには言及しなかった。複数メディアが伝えた。

　広州交易会は毎年春と秋に開かれる中国最大の商談会で、中国企業が海外バイヤーと結ぶ契約の規模は、中国の向こう半年間の輸出動向を示す先行指標とされる。広東省仏山市に拠点を置くある家具メーカーの関係者は、広州交易会で毎年多くの新規顧客を獲得していることに触れた上で、今回の延期が今後の生産計画や販売状況に影響する恐れがあるとの懸念を示した。

　広州交易会を巡っては今月11日の国務院（内閣に相当）常務会議で、李克強首相が「準備作業を進め、対外貿易協力を促すよう」指示するなど、通常開催に意欲を示していた。中国国内では新型コロナウイルスの新規感染ペースが大幅に鈍化しているものの、足元で海外からの輸入症例が増加している。

　なお、2019年11月に開かれた秋季「広州交易会」では、総額2070億9000万人民元（約3兆円）相当の契約が交わされた。214カ国・地域から、内外のバイヤー18万6015人が会場を訪れている。今年春季は第1期が4月15〜19日、第2期が4月23〜27日、第3期が5月1〜5日に開催される予定だった。


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