通信機器・設備メーカー大手の中興通訊（ZTE：763/HK）は8月28日引け後、2020年6月中間期の業績を発表し、純利益が前年同期比26.3％増の18億5728万人民元（約286億円、希薄化後EPS：0.40人民元）に拡大したと報告した。売上高は5.8％増の471億9937万人民元。中間配当は実施しない方針だ。
　通信キャリア向け、法人・機関向けで増収を確保。うち通信キャリア向け設備では、第5世代（5G）システム設備などの売上高が増加している。法人・機関向け設備では、国内外で光伝送製品、国内でサーバーなどが好調だった。
　このほか、売掛金に絡む貸倒引当金の縮小も増益要因。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、販売コストの管理を強化したことも奏功した。
　ただ、全体の粗利益率は37.1→32.7％（↓4.4ポイント）に悪化。利幅の薄い製品の売上構成比が拡大したことが影響している。
　部門別の売上高は、コンシューマー向け設備が0.1％減の74億1320万人民元に縮小したものの、主力の通信キャリア向け設備が7.6％増の349億6960万人民元に拡大。法人・機関向け設備は2.5％増の48億1660万人民元に伸びた。
　通信キャリア向け設備では、世界の5G投資ピークが近く到来する見通し。同社は引き続きキャリア各社の5Gネットワーク構築を支援していく。コンシューマー向け設備では、5G端末市場の発展をにらみ、重点市場となる国・地域で新製品の投入を加速させる。
　ZTEは自主ブランドの各種通信機器、端末を生産。中国移動、中国聯通、中国電信など、国内通信キャリアを大口顧客に持つ。新事業開拓にも意欲。14年9月、東風汽車グループと提携し、EVバス向けワイヤレス充電の実用化を目指すと発表。16年7月には、子会社の中興智能汽車(ZTEスマートオート)を通じ、広東省に拠点を置くEVバスメーカーの珠海広通客車を買収した。


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