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  ニュース     2020/07/02 18:59

中国:20年「IIoT産業」47兆円超え、コロナ禍で導入相次ぐ 無料記事

 政策の追い風を受けて、産業向けインターネット(IIoT)市場が中国で急ピッチに育っている。工業情報化部直属の中国信息通信研究院がまとめた「工業インターネット産業経済発展報告(2020年)」によると、2018年に1兆4200億人民元だった中国IIoT産業規模は、19年に2兆1300億人民元まで拡大した。国内総生産(GDP)に占める比率を1.5→2.2%に高めている。20年は46%増の3兆1000億人民元(約47兆1500億円)に膨らみ、対GDP比が2.9%に上昇すると予測された。第5世代移動通信(5G)時代を迎え、IIoTは大規模応用期に入ると期待されている。21世紀経済報道が2日付で伝えた。

 IIoTに関して中国政府はかねて、「製造業モデル転換の重要手段」とみなしてきた。15年以降、インターネットと製造業の融合発展を推し進める各種政策を矢継ぎ早に発表している。6月30日に開催された中央全面深化改革委員会第14回会議では、「次世代情報技術と製造業の融合発展に関する指導意見」などの政策文書が承認された。

 この中で、「スマート製造を主軸にIIoTのイノベーション型発展を加速し、製造業の生産方式と企業形態の抜本的変革を推進。製造業のデジタル化、インターネット化、スマート化の各面で発展レベルを引き上げる」との政府スタンスを改めて明示している。これら政策文書の承認は、重要インフラであるIIoTプラットフォームの構築を促すと目された。

 さらに中国を突如襲った新型コロナウイルス危機は、企業にIIoT導入を加速させる契機を創出している。「クラウド、ビッグデータ、5G、人工知能(AI)などIT技術で構成されるIIoT技術は、企業の生産活動再開にとって極めて重要になる」と再認識させたためだ。

 三一集団が立ち上げた大規模IIoTプラットフォームを運営する樹根互聯技術有限公司(iRootech Technology)では、コロナ騒動中の受注が前年同期を大きく上回った。感染拡大防止のために採られた人の移動制限がオンライン化、ネットワーク化、スマート化された企業運営需要を高めたという。

 IIoTは企業の運営効率を高める上でも有効だ。樹根互聯のサービスを利用したある車載電池メーカーは、ライン稼働率などの各種経営データ分析を通じて、ターゲットとすべき重要顧客は個人消費者でなく、ラストワンマイル問題を抱える宅配企業である実態を把握。経営戦略を立て直したという。


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