新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かい、経済活動が再開された中国で、トラックの需要が急速に膨らんでいる。現地メディアの第一商用車網（1日付）によると、今年6月の大型トラック販売台数は約16万5000台に達し、前年同月比で59％増加した。前月比では8％減少したものの、6月としては過去最多記録を更新している。

　新型コロナの感染ピークアウトを受け、物流用や工事用などで大型トラックの需要が拡大している格好だ。また、中央・地方政府が排ガス基準「国3」以下のトラック淘汰に力を入れる中、買い替え需要も高まっている。1〜6月の累計販売数は前年同期比23％増の81万台に達し、増加率は1〜5月の17％から加速した。

　メーカー別では、第一汽車集団（一汽解放）の6月販売台数が前年同月比67％増の3万8000台で引き続きトップ。以下、東風汽車集団（489/HK）が61％増の3万4500台、陝西汽車控股集団が44％増の2万4500台、中国重汽（3808/HK）が41％増の2万4000台、北汽福田汽車（600166/SH）が127％増の1万6500台と続いた。うち北汽福田汽車は、主要メーカーで最大の伸びを示している。

　中国の大型トラック販売は今年1月に前年同月比で18％増加した後、コロナ流行を受けて2月に52％減、3月に19％減と大きく落ち込んでいた。足元では経済活動の回復を受けて急ピッチに販売が回復しており、4〜6月の3カ月連続で50〜60％台の大幅増を記録している。第一商用車網の予測によると、20年通年の販売台数は130万台を突破し、過去最多記録を更新する見通し。

　中国では17年以降、固定資産投資の拡大や過積載車両に対する規制強化（買い替え需要の発生）がトラック販売を押し上げている。19年は前年比2％増の117万台に達し、2年連続で過去最多記録を更新した。18年末時点の市場予想（約20％減）に反して増加し、小幅ながら拡大基調を維持している。


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