中国の新車販売市場で、ディーラー在庫の高止まりが持続している。中国汽車流通協会が1日に報告した2020年5月の「自動車ディーラー在庫早期警戒指数（VIA）」は54.2に低下（＝改善）。前月（56.8）比で2.6ポイント低下したものの、前年同期（52.0）比では2.2ポイントずつ悪化した。依然として警戒ラインの50を上回る水準で推移し、2018年1月以来、29カ月連続で50を超えている。
　消費刺激策の導入、ディーラー側の値下げを追い風として、メーデー連休期間に各地で販売が回復した。客足も戻りつつある。ただ、需要の拡大は限定された。5月は下旬にかけて販売がやや委縮したという。
　エリア別では、北部が56.6、東部が51.4、西部が53.1、南部が55.6となっている。それぞれ前月比で0.5ポイント、2.3ポイント、12.9ポイント、4.5ポイントずつ低下した。
　ブランド別では、輸入車・高級車の在庫圧力がやや増している。5月のブランド別在庫圧力は、輸入車・高級車が前月比3.4ポイント上昇の52.3、合弁ブランドが3.8ポイント低下の53.4、中国自主ブランド車が7.0ポイント低下の60.7ポイントで推移した。
　VIAはPMI（製造業購買担当者景気指数）の算出法と類似。50を下回ると自動車在庫が適正レベルにあることを示す。逆に数値が高いほど、需要の低迷、在庫圧力の上昇、経営圧力の増大を示唆する。


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