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  ニュース     2020/11/09 19:00

中国の振興EVメーカー3社、企業価値が膨張 無料記事

 新興の中国電気自動車(EV)メーカーが企業価値を膨らませている。車業界の時価総額で世界トップを独走する米テスラ(TSLA/NASDAQ)に追随する動き。米国の株式市場に上場した中国の蔚来汽車(NIO/NYSE)、小鵬汽車(Xpeng Motors:XPEV/NYSE)、理想汽車(Li Auto:LI/NASDAQ)は、時価総額が数百億米ドル規模にまで拡大している。中新経緯などが9日付で伝えた。
 6日終値ベースの時価総額は、テスラが4075億4992万米ドル(約42兆1400億円)で筆頭。これを下回るものの、中国勢も蔚来が427億1279万米ドル(約4兆4200億円)、小鵬が250億5424万米ドル、理想が251億3700万米ドルにまで拡大した。
 絶対数はまだ少ないものの、販売の成長が目立つ。今年10月の販売台数は、前年同期比で蔚来が100.1%増の5055台、小鵬が229%増の3040台、理想が5.4%増の3692台に上った。1〜10月にかけた年初来の累計では、それぞれ3万1430台、1万7117台、2万1852台を売り上げている。
 中国新興EV勢を代表する蔚来は今月6日、蓄電容量100kWhの動力電池モジュールを発表した。既存製品よりエネルギー密度を37%引き上げたことで、航続距離も大幅に伸びるという。
 ただ、製品の不良を懸念する声も出てきた。理想は6日、「理想ONE」のリコールを正式発表している。電池の不具合が指摘されたため。今年6月1日までに生産した1万469台の修理に乗り出す。
 中国政府は、EVをはじめとする新エネルギー自動車(NEV)の普及を強力に推し進める戦略だ。国務院(内閣に相当)は今月2日、35年までの新エネルギー車発展計画を発表。新車販売全体に占める新エネ車の比率に関し、25年時点で20%まで拡大させると宣言した。最終の35年では、EVを新車販売の主軸とするほか、公共車両の全面電動化、燃料電池車の商業化利用、高度自動運転車の大規模応用を目指す方針を示した。「自動車強国」の実現を達成する。


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