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  ニュース     2020/10/19 19:59

アリババが高キン零售を子会社化、3800億円追加出資へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)は19日、中国本土でハイパーマーケットチェーンを展開する高キン零售(サンアート・リテール・グループ:6808/HK)に追加出資し、連結子会社化すると発表した。傘下の淘宝中国控股有限公司を通じ、サンアート・リテールの筆頭株主である吉キン控股有限公司の権益70.94%を仏小売大手オーシャンから取得する。取得価格は280億香港ドル(約3800億円)。これにより、サンアート・リテールに対するアリババの出資比率(経済的持分)は約72%に拡大する運びだ。一方のオーシャンは、サンアート・リテールから出資を完全に引き揚げる形となる。
 アリババは2018年1月、サンアート・リテールに224億2514万香港ドルを出資し、2位株主に浮上(出資比率36%)。両社はアリババが進める「新小売」戦略に沿って、業務提携を進めてきた。これまでに、共同で生鮮食品の配送サービス「淘鮮達」を立ち上げており、サンアート・リテールは18年末までにすべての傘下店舗で同サービスを導入。また、アリババ系の菜鳥とサンアート・リテールが共同展開する社区(団地)向け共同購入サービスは20年6月末時点で国内16都市をカバーしている。
 なお、上場規則に基づき、淘宝中国は他の株主が保有するサンアート・リテール株を対象に株式公開買い付け(TOB)を実施する予定。TOB価格は1株当たり8.10香港ドルとなる見通しだ。これはサンアート・リテールの直近終値(16日:7.93香港ドル)を2.14%上回る水準となる。
 アリババは世界トップクラスのEコマース企業。「淘宝網」や「天猫」など個人向けECサイトを運営するほか、越境ECの「天猫国際」、BtoBの「1688.com」も展開。EC以外では、宅配スーパー「盒馬」、フードデリバリー「餓了麼」、動画ストリーミング「優酷」、クラウドサービス「阿里雲」などを傘下に擁する。一方、中国本土で大型スーパーチェーンを展開するサンアート・リテールは、中国大潤発(RTマート)と仏小売2位オーシャン・グループの中国事業を傘下に置く。20年6月末の営業店舗数は484店、総建築面積は1297万平米(うち自社保有3割)で、うち約半数が三線都市(地級市)に位置する。


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