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  ニュース     2021/04/21 19:00

中国:上海ベンチャー活況、起業活動率11.8%と高水準維持 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】上海市では依然として、ベンチャー(起業活動)が活性化しており、起業家の7割は起業環境に楽観的である実態が分かった。上海市人力資源社会保障局が19日発表した「2020年上海市民の起業状況調査報告」によれば、起業活動の活発さを測る起業活動率(Total Entrepreneurship Activity:TEA)は引き続き11.8%の高水準を維持している。ベンチャー企業1社が平均8.1件の雇用を創出。起業活動が雇用を牽引する乗数効果が日増しに顕在化している状況だ。中国新聞網が19日付で報じた。
 上海市雇用促進センターでは2005年以来、英国の起業家精神に関する調査「グローバル・アントルプレナーシップ・モニター(GEM)」を参考に上海市民の起業状況を調査している。調査は16年連続で、専門機関に委託して実施。20年は上海市民の起業活発程度や上海市の起業環境を把握するために、アンケートや専門家へのインタビューなどの形式で行なわれた。
 同調査によれば、20年に起業活動に参画した上海市民数は16〜64歳の人口100人当たり平均11.8人になる。新型コロナウイルス流行の影響を受け、住民全体の起業活動率は過去3年間(17年が12.6%、18年が12.7%、19年が12.2%)と比較してやや低下したものの、依然として高い水準を維持している。前述したようにベンチャー企業1社につき、平均8.1人の雇用を促進することができ、14年から7年連続で8人以上をキープしている。
 上海の起業精神に満ちた雰囲気について、住民は総体的に楽観的な態度だ。住民の40.4%が「起業家精神に満ちた雰囲気が非常に強い、または比較的強い」と考えており、良好な水準にあるという。
 一方、コロナ禍がベンチャー企業やスタートアップ企業に多少のマイナス影響を与えたものの、上海市の優れた起業リソースや地元政府の各種起業政策・サービスによって、7割を超える起業家が起業環境を楽観視しており、今後のビジネス成長に自信を示している。
 起業家が期待する政策・サービスについては、◆政府による行政承認の簡素化、◆所得税の減免・助成金政策、◆創業エリアの支援――などが挙げられた。過去5年間のデータによると、所得税優遇措置や行政承認の簡略化は常に起業家の主な要望となっている。


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