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  ニュース     2021/05/14 19:02

中国:「男余り」3490万人 国勢調査で見る未婚化問題 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】国家統計局が今月11日に発表した第7回人口センサス(国勢調査)の結果を受け、中国で未婚化の問題に改めて注目が集まっている。2020年に実施された同調査によると、性別の人口は、男性が7億2334万人(構成比51.24%)、女性が6億8844万人(同48.76%)。単純計算で男性が3490万人多い結果となった。専門家はこの数字について、複数要因により中国で婚姻率が低下している事実を認めつつも、未婚化問題を考えるにあたっては20〜49歳の男女人口を検証する必要があると指摘している。現地が14日伝えた。

 統計局のデータによると、人口性比(女性100人に対する男性の数)は105.07となり、2010年とほぼ同水準だった。「男余り」の現象は中国南部で特に著しく、省別では広東省の人口性比が113.08で最高。海南省の113.08がこれに続いた。半面、「東北三省」の吉林省、遼寧省、黒竜江省が下位に並ぶ。うち吉林省は99.69、遼寧省は99.70と、全国に反して女性が男性よりも多いという結果が出た。

 南部で「男余り」が目立つ要因について、人口統計学の専門家は、◆男系子孫を重視する伝統的な概念がより強いこと、◆南方の沿海地域は外来人口が多く、特に男性の出稼ぎ労働者が多いこと――を挙げた。一方、東北で女性が多い要因については、◆高齢化がより進展していること(一般に女性の方が男性より長寿)、◆人口流出が多いこと(一般に流出人口は男性が多い)――などと分析した。

 また専門家は、未婚化問題を考えるにあたっては20〜49歳の男女人口を検証する必要があると指摘。今回の人口調査で得られた数字(男女差3490万人)がすなわち、「結婚できない男性」の数を意味するものではないと強調している。

 さらに専門家は、婚姻率を引き上げるには「男女平等」の意識をさらに高める必要があると分析。夫よりも妻の収入が多い「女高男低」型の家庭を容認し、こうした家庭では夫が家事や育児により多くの時間を費やすなど、社会全体での意識改革が必要と指摘している。


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