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  ニュース     2020/12/08 19:00

中国:百度が公道で自動運転実験へ、北京市で5台投入 無料記事

 中国のIT企業が北京市内で無人(運転席にドライバー不在)の自動運転サービスに乗り出す。百度(BIDU/NASDAQ)は7日、管轄当局の「北京市自動駕駛測試管理聯席工作小組」から公道の自動運転性能計測を可能とする「無人化路測(第1段階)」の通知を得たと発表した。第1陣として5枚を受け取ったという。中国新聞網などが伝えた。

 百度が開発した自動運転車両は、5G通信の規格に対応する。「安全員」を外部に配置することで、遠隔操作にも対応可能だ。

 無人自動車の公道走行テストは、信頼性の大幅な引き上げが必要とされる。運行コストの削減が図れるだけに、世界の自動車やITの大手企業が開発レースを競ってきた。

 北京市当局は今年11月12日、「自動駕駛車両道路測試管理実施細則(試行)」を公布した。「T3」以上の技術レベルを擁した企業に対し、ドライバー不在の自動運転車両走行を容認すると通知。外部閉鎖道路の計測結果を踏まえ、安全性を検証するために、3万キロメートルの公道走行テストを展開することを認めた。

 百度は2015年12月に自動運転事業部を設置。“車業界のアンドロイド”として知られる自動運転システム「アポロ」を17年に発表した。国営自動車大手の中国第一汽車と共同で国際基準「レベル4」クラスの自動運転車を開発中。20年末をめどに量産に乗り出す計画だ。また、百度は今年6月24日、四川省成都市ハイテク区と戦略提携を締結。「アポロ」を搭載したロボタクシーを区内走行させている。百度の「アポロ・ロボタクシー」はこれに先駆け、湖南省長沙市で試験商用サービスに乗り出した。

 自動運転車の本格実用化に関し、業界関係者の間では「2025年」が半ば公認の時期と目されている。この時期は中国政府の目標と一致。国家発展改革委員会などが今年2月に公表した「スマート自動車イノベーション発展戦略」にも、自動運転技術の発展目標を明示。「25年に条件付き自動運転車の大規模生産体制を確立する」との文言が盛り込まれた。

 自動車メーカー勢の動きも活発化している。車各車の事業計画を踏まえれば、20年は「レベル3自動運転車の投入元年」と言えよう。長安汽車、広州汽車集団、上海汽車集団、長城汽車、吉利汽車などが「レベル3」自動運転車量産モデルの年内投入、または商用化を目指している。25年には、「レベル4」以上の高度自動運転車が登場する見通しだ。


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