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  ニュース     2021/04/02 19:00

SMIC受託価格引き上げ、4月から15〜30% 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国ファウンドリ最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)は、4月1日からの受託生産価格の引き上げを顧客に通知した。既に生産段階に入った製品を除いて、受注済みの注文も値上げの対象に含める。科創板日報などが1日付で報じた。
 サプライチェーン関係者によると、SMICは既に3月から値上げに着手している。今回の値上げ幅は15〜30%に上る見通しだ。
 台湾の大手ファウンドリでも値上げの動きが相次いでいる。世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)は4月から、12インチウェーハ受託生産価格を1枚当たり400米ドル(約4万4000円)引き上げた。聯華電子(UMC:2303/TW)、力晶積成電子製造(PSMC:6770/TW)も、4月に10%の引き上げを行うとみられる。
■個別製品も値上げ
 ファウンドリとパッケージング・テスティング(封止・検査)メーカーが供給ひっ迫状態のため、パワー半導体やマイクロコントローラー(MCU)、パワーマネジメントICなどの製品の値上げも伝えられている。
 台湾系の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)大手、大中積体電路(シノパワー・セミコンダクター)、富鼎先進電子(APEC:8261/TW)、尼克森微電子(ニコ・セミコンダクター:3317/TW)も、早ければ第2四半期に10〜20%値上げすると伝えられる。
 MCU大手の盛群半導体(ホルテック・セミコンダクター:6202/TW)は、全製品を対象に4月から15%値上げすると顧客に通知した。また、高速充電ICの偉詮電子(ウェルトレンド・セミコンダクター:2436/TW)は、4月1日からパワーマネジメントICやMCUを含む全製品を10〜20%値上げすると表明した。
 招商証券のアナリストは、半導体サプライチェーンの中長期の展望について、中期では生産ひっ迫の緩和は製造業者の設備投資にかかっていると指摘。中国の設備・材料メーカーは、世界的な生産能力拡張と国産化推進の動きに恩恵を受けると予想した。また長期では、生産ひっ迫は設備、材料、受託生産の各分野の他、パワー半導体やモジュール、RFなど個別製品の国産化も後押しするとの見方を示した。


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