中国人によるぜいたく品消費が、香港を含む海外から国内へと回帰している。新型コロナウイルス流行前は、中国人によるぜいたく品消費のうち、海外での購入額が7割を占めていたが、今後は同比率が低下していく見通しだ。コロナ禍の影響に加え、海南省での免税品政策などが追い風になる見込み。UBSのアナリストは、2025年に同比率が36％まで低下するとみている。香港経済日報など複数メディアが4日までに伝えた。

　同アナリストの予測によると、25年時点で中国人によるぜいたく品消費のうち、国内での購入額が占める比率は55％まで拡大する見通し。うち海南省での同比率は、現在の2％から9％まで上昇するという。

　Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）と、コンサルティング大手の米ベイン・アンド・カンパニーが之より先に発表したリポートによると、中国のぜいたく品市場規模は推計値ベースで、20年に前年比48％増の3460億人民元（約6兆円）に達している。世界全体では23％縮小したものの、中国人のぜいたく品需要は旺盛だった。

　なお、観光業の振興を目指し、海南省は2011年4月から試験的に離島免税政策を導入。数回の政策調整を経て、免税ショッピングは海南観光の目玉となっている。


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