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  ニュース     2020/12/02 20:00

中国:モバイルバッテリー時間貸し価格高騰、大手4社が市場支配 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】モバイルバッテリーのシェア(時間貸し)サービスで値上がりが目立っている。1時間当たり利用料の相場は、昨年の1人民元から今年の最大5〜6人民元にまで高騰した。この背景には、市場の寡占化、需要の拡大、保守費用の増大などがある。中国政府系メディアが2日付で伝えた。
 各社のモバイルバッテリー利用料は、足元で街電科技が1日最大30人民元、場所に応じて1時間当たり3〜5人民元、来電科技が1日最大20人民元、1時間当たり2〜3人民元、美団が1時間当たり3〜6人民元、怪獣充電が1日最大28人民元、1時間当たり4人民元など。
 「モバイルバッテリー・シェアリング」をキーワード検索したところ、中国全体で160ブランドが表示された。ただ、業界では寡占が急激に進んでいる。業界を代表する「三電一獣」の2019年シェアは、街電科技が28.6%、小電科技が27.0%、怪獣充電が25.1%、来電科技が15.6%に達した。これら大手4社のシェアは、合算で96.3%にまで拡大している。
 「共有経済」の一大旋風が吹き込むなか、中国では14年から自転車やモバイルバッテリーの貸し出しサービスが勃興。来電科技はモバイルバッテリー貸し出しの1社目企業として誕生した。17年には来電科技、街電科技、小電科技、怪獣充電が相次ぎ増資し、合算約10億人民元の外部資金を調達している。中小ブランドが競争激化で市場退出に迫られたことで、19年下半期からは上位4社による寡占体制が確立された。
 資料によると、20年の中国モバイルバッテリー・シェアリングユーザーは延べ4億800万人に上る見通しという。しかしながら、消費者不在の値上げが横行した場合、自分で購入したモバイルバッテリーを持ち歩く動きが広がりそうだ。


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