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  ニュース     2021/06/09 19:01

中国:預金金利「市場化」さらに推進、設定方式見直しか 無料記事

【亜州ビジネス編集部】商業銀行による預金金利の設定方式について、中国人民銀行(中央銀行)が見直しを計画しているもようだ。預金金利の市場化を一段と進める狙い。預金金利の上限を設定する際、基準金利に一定数を乗じる従来方式から、一定数を加算する方式に切り替えることを検討しているという。外電が9日、消息筋情報として伝えた。

 人民銀は預金金利の市場化を段階的に進め、2004年には下限規制を撤廃。上限規制についても徐々に緩和し、15年5月には「基準金利の150%(1.5倍)」まで上限を広げた。同年10月には上限規制を廃止し、表面上は預金金利の自由化が達成された形。ただ実際は、人民銀が「窓口指導」などを通じて金利を管理している。

 今回の報道によると、普通預金の金利については、基準金利に20ベーシスポイント(bp)を上乗せした水準が新たな管理上の上限となる見通し。定期預金に関しては、中小銀行と外資銀行は基準金利に最大75bpを上乗せすることが可能で、中国の大手銀行よりも上乗せ幅が大きいという。

 中国の預金基準金利は15年10月から変更されておらず、1年物定期預金で1.50%という水準。これに75bpを上乗せすると上限は2.25%となり、従来の「1.5倍基準」と変わらない。ただ、普通預金(基準金利0.35%)や3カ月物定期預金(同1.10%)、6カ月物定期預金(同1.30%)は新方式の方が上限がより大きくなり、2年物定期預金(同2.10%)、3年物定期預金(同2.75%)ではより小さくなる。商業銀行にとっては、資金調達コストの若干の低下につながるとみられている。


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