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  ニュース     2020/10/16 19:59

中国:顔認証データ漏えい経験3割、保存や乱用に懸念も 無料記事

 顔認証システム利用が各分野に広まるにつれ、企業や学校などの利用のあり方や、収集後のデータ保存や用途について、一般市民から懸念の声が上がっているのが事態だ。なかでも漏えいについては、3割が「被害に遭った」と答えている。経済日報が14日付で伝えた。
 顔認証システムの調査報告書によると、「顔認証システムが氾濫し過ぎている」と感じている人は64.39%、「顔認証データの漏えいや乱用で、財産上の被害を受けた」と答えた人が30.86%いた。調査はアンケート形式で2万人以上が回答。「氾濫している」と感じた人は、北京・上海・広州・深セン各市や、省都レベルの大都市で7割近くに達したという。
 顔認証が使われている分野の中でも「強制使用」になるものは「地下鉄など公共交通機関の安全検査」が最多の27.39%となった。次いで◆実名登記(26.42%)、◆口座開設(25.94%)、◆口座振込(25.81%)、◆勤怠調査(21.76%)――など。抵抗を感じる市民は多いという。氾濫や乱用と感じる分野は、◆商業施設によるマーケティングデータ収集(42.68%)、◆大学などで授業中の学生が「顔を上げている率」や表情、態度の調査(28.36%)、◆性格判断などの娯楽サービスなど(19.01%)――だった。
 このほか、大規模なデータ流出事件はまだ例がないものの、自分の顔のデータが収集先でどのように保存・管理・利用されるのかについても、8割が興味を持っていた。
 第三者利用についても「提供されるのか、されるとすれば誰か」(26%)、「どのような目的で使われるのか、使用目的は変更できるのか」(23.16%)などと懸念されている。うち65%以上は、顔認証システムそのものについて「弊害よりも利益が大きい」と考えている実態が判明した。
 専門家は「法律上で公共の安全や金融など、認証を強制できると明確に要求できる範囲内で身分証として使う場合には合理性があるが、法に定めのない勤怠管理などで顔認証を唯一の認証とする措置は良くない。指紋や携帯番号、パスワードなどの扱いにも注意するべきだ」と説明した。これらの点についても、報告では更なる立法やルール作りを提言している。


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