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  ニュース     2022/06/21 18:00

中国:各地で公務員「減給」、若年失業率さらに悪化も 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気が悪化する中、中国の各地方政府が公務員の減給に踏み切っているようだ。インターネット上では、広東省や江蘇省、浙江省、上海市、福建省などで減給が実施され、賃下げ幅は一部で最大4割に達したとの情報も流れている。中国政府側の公式発表はないため情報の真偽は不明だが、地方政府の厳しい財政状況が透けて見える。
 香港紙・明報の報道によると、上海市では処長級の公務員で年俸が35万人民元(約700万円)から20万人民元(約400万円)に引き下げられ、成果ボーナスも廃止された。また、上海市、江蘇省、浙江省などでは「公務員減給弁公室」が立ち上げられ、減給分の一部をコロナ対策に充てる方針が示されたとの情報もネット上に流れているという。
 それでも景気の先行き不透明感が強い中で、比較的安定した公務員への就職を希望する若者は多いようだ。ある調査によれば、2022年度新卒生のうち、民営企業への就職を希望する人が17%にとどまったとのデータもある。
 一方で、今年の就職事情は例年になく厳しい。中国では今年、高等教育機関の卒業生が前年比167万人増の1076万人に達し、初めて1000万人の大台に乗せる見通しだ。人材会社の58同城が先ほど発表したリポートによると、大学など高等教育機関の22年度卒業生のうち、5月29日時点で就職が確定、または内定した学生は全体の29%にとどまった。新卒生の51%が「安定した仕事を選びたい」と回答したほか、39%が「比較的低収入の仕事でも構わない」と回答している。
 国家統計局のデータによると、都市部の調査失業率は今年5月に5.9%だったが、若年層(16〜24歳)に限ると過去最高水準の18.4%まで上昇している。バンク・オブ・アメリカのエコノミストは6月6日に発表したリポートで、16〜24歳の失業率が7〜8月に23%までさらに上昇する恐れがあると指摘した。大都市全体では、失業率が7%を超える可能性に言及している。


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