【亜州ビジネス編集部】中国で新エネルギー車（NEV）の販売が急増する一方、契約から納車までにかかる期間が長期化して、消費者の不満が高まっている。北京のある男性はNEVの新車を購入したものの、販売業者から納車までに15カ月間かかると言われ、困惑したと訴えた。央広網が6月30日付で伝えた。

　NEVの引き渡しが時間を要する理由について、中国汽車流通協会NEV分会の章弘・事務局長は、「新型コロナウイルスの影響などにより、メーカーで部品、バッテリー材料、半導体などの調達が遅れていることがある」と指摘する。またNEV独自の販売戦略も影響しているという。NEV新興メーカーがコスト削減のため、従来のガソリン車メーカーのようなディーラー網を持たず、直営店での販売を主体としていることも背景にあると分析した。車両在庫を持つディーラーと違い、直営店は在庫を持たないことが一般的なため、生産遅延が納車の遅れに直結するという。

　中国汽車流通協会によると、今年5月のNEV販売台数は、前年同月比105.2％増の44万7000台、生産台数は113.9％増の46万6000台に膨らんだ。前月比では販売が49.6％増、生産が49.5％増。1〜5月の累計では、販売が111.2％増の200万3000台、生産が114.2％増の207万1000台に拡大した。


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