中国が地方政府の「隠れ債務」圧縮に乗り出す。広東省政府は9日の常務会議で、中央政府と国務院が地方政府の隠れた債務リスク問題の軽減方針決定を順守することを承認。市や県を含めた省全域で隠れ債務を「ゼロ」にする試行地とすることを正式に決めた。
　中国の各地方政府は、全債務を公開しなければならない。ただ、隠れ債務の公開は義務付けられていなかった経緯がある。その隠れ債務は、◆地方国有企業の負債で、政府が担保提供や財政支援をしているもの、◆地方政府が立ち上げた基金やPPP、政府が購入するサービスで収益を保障しているもの――など。地方政府系投資会社の「融資平台（LGFV）」などが含まれる。政府のバランスシートに計上されないものの、債務には暗黙の政府保証があると見なされてきた。　
　広東省財政庁によると、広東省政府の公式な債務は、2020年末時点で1兆5316億1900万人民元（約26兆8800億円）に達した。上限を超えない範囲に抑制されている。内訳は一般債務の5789億2400万人民元、専項債（公益事業向けに資金調達する特別地方債）の9526億9500万人民元。
　広東省の経済規模は各行政区画で中国トップ、地方政府債務は中国3番目に位置する。経済はより小さいにもかかわらず、江蘇省と山東省の債務は広東省を上回る規模だ。
　国家金融発展実験室によると、中国地方政府の隠れ債務は、20年時点で概算14兆8000億人民元に積み上がったと推計されるという。


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