ニュース 2022/03/01 18:00
人民元「安全資産化」か、香港域内の元建預金が過去最高20兆円
ASEAN
【亜州ビジネス編集部】ウクライナ情勢の緊迫化などを背景に、人民元にリスク回避の資金が流入している。香港金融管理局(HKMA)の最新データによると、香港域内の人民元建て預金残高は今年1月末時点で1兆960億人民元(約20兆円)に達し、前月比で18.2%増加。残高は2014年12月末の記録(1兆40億人民元)を上回り、過去最多となった。人民元相場は足元で約4年ぶりの高値を付けており、市場関係者の間では、「人民元が新たな安全資産になりつつある」との声も聞かれる状況だ。香港紙・明報など複数メディアが1日伝えた。
HKMAによると、香港域内の全預金残高は1月末時点で前月比2.6%増。うち香港建て預金は1.3%増となっており、この数字からも人民元建て預金が急増したことが分かる。
DBS銀行のストラテジストは、リスク回避ムードが香港の人民元建て預金増加につながったと分析。2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降も人民元相場は安定上昇しており、他国資産との相関性が低い点を指摘した。利回りの水準も他国通貨より高く、「リスク回避資産」としての特性を持つとしている。
ただ、人民元相場には中国当局の意向が強く反映されており、「政策リスク」の観点からは「安全資産」に分類しづらいとの見方もある。人民元相場の上昇ペースが一段と加速すれば、中国人民銀行(中央銀行)は元高抑制に動く可能性も指摘されている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
HKMAによると、香港域内の全預金残高は1月末時点で前月比2.6%増。うち香港建て預金は1.3%増となっており、この数字からも人民元建て預金が急増したことが分かる。
DBS銀行のストラテジストは、リスク回避ムードが香港の人民元建て預金増加につながったと分析。2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降も人民元相場は安定上昇しており、他国資産との相関性が低い点を指摘した。利回りの水準も他国通貨より高く、「リスク回避資産」としての特性を持つとしている。
ただ、人民元相場には中国当局の意向が強く反映されており、「政策リスク」の観点からは「安全資産」に分類しづらいとの見方もある。人民元相場の上昇ペースが一段と加速すれば、中国人民銀行(中央銀行)は元高抑制に動く可能性も指摘されている。
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